2019年02月19日

携書版『なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?』など諸々

20190219.jpg

寒かったり暖かかったりのこの頃ですが、今のところ、私はインフルエンザの脅威から逃れることができております。皆様はいかがでしょうか。それはそうと、冬はレザージャケットを着られるのが嬉しいですね。「レザージャケットと私」なら、本一冊分は語れると思いますわ。いや、ほんまに。初めての出合いは中学一年生で、ヌバックのボックスシルエットな・・・って、何の話やろ。

1. 携書版『なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?』発売中です

2015年に刊行した『なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?』が、ディスカヴァー携書となって再発されました。発売日は1月25日。内容的には変更はありませんが、一部読みにくかった文章などは、この機会に改めさせていただきました。あとは、いくつか単語の変更などがあるだけです。

最近は幕末維新関連での発信が増えていましたが、私、実は社会思想史を専門としておりまして、この本はその専門ド真ん中の内容です。一般書ですが、一部尖った論点も含んでいますので、「石田梅岩・石門心学と現代」についてご関心をお持ちの方は、是非一度お手に取っていただければと思います。

2. BS朝日「紀州藩主 徳川吉宗」(2月8日・19時00分〜21時54分)で歴史監修

4K大型時代劇スペシャル「紀州藩主・徳川吉宗」で歴史監修を務めました。全般に関する監修です。もっともっと時代劇が盛り上がることを祈ってます。

3. 『中央公論』(2019年3月号)の「新書大賞」コーナーを読んで

意味ありげなタイトルですが、当該コーナーで小谷野敦さんと先崎彰容さんが、昨年の新書ベスト1に私の『西郷隆盛の幻影』を挙げて下さっていました。なんと有り難いことでしょうか。ただただ嬉しかったです。心より感謝申し上げます。

森田健司
posted by km at 00:00| 御知らせ

2019年01月09日

新刊『江戸暮らしの内側』(中公新書ラクレ)は10日発売です

20190109.jpg

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

さて、直前になってしまいましたが、10日に『江戸暮らしの内側』(中公新書ラクレ)が発売されます。江戸時代に、江戸という町に住んでいた庶民(町民)の日常を描く書です。いわゆる生活文化の紹介ですが、その基層にある精神、思惟といったものにも力点を置きました。

この手の書は、取り扱うべき題材が無限にあるため、大ボリュームになってしまいがちなのです。しかしながら、今回の本は、できるだけコンパクトに仕上げようと頑張りました。「こんな変わったことをしていた」、「こんな滑稽な商売があった」ではなく、スタンダードな衣食住や生老病死を愚直に素描した一冊です。それは、私が惹かれた江戸の姿そのものでもあります。

読みやすさも追求した一般書ですが、二点ほど、これまでほとんど指摘されていない事項も加えています。それが何かに関しては、是非、本でご覧いただきたく思います。

内容に関しては、下記のページなどもご参照下さい。

歴史の本にして「生き方」の本、登場
『江戸暮らしの内側』より「はじめに」をご紹介


江戸暮らしの内側(中公新書ラクレ)

森田健司
posted by km at 00:00| 御知らせ

2018年12月16日

NHK WORLD「Japanology Plus」他、お知らせ諸々

nishikki-20081216.jpg

最近は、というより思い出せる限りずっと、私はテレビが大好きで、家にいるときは仮に観ていなくても、テレビは点いているというエコロジーな観点からはけしからん人間でして、これについてはただただ倹約の神に謝る他ありません。

しかし、このところ気が付いたのですが、視聴するテレビの傾向が、若い頃と明らかに変わってきたようです。なんというか、ローカルな情報ばかり摂取しようとしているのです、私の頭脳は。そのため、サンテレビとケーブルテレビのeo光の番組ばっかり観ている気がします。グローバルに抗うローカル、とかいう大袈裟なものもちろんではなく、ただただ、近所の飲食店などの情報が欲しいから。スモール・サークルをグルグル廻る人生なり。

1. NHK WORLD「Japanology Plus」に出演しました/します

NHKの海外向けサービスNHK WORLDの番組「Japanology Plus(第98回)」に出演しました。私が長らく大ファンの、ピーター・バラカンさんの番組です。いや、ファンというより、我々世代のロック愛好者には、メンターと表現してよい方です。バラカンさんの番組からお声が掛かるなんて、光栄という他ありません。20年前の私に伝えたら腰抜かすわ。

私が出演した回のテーマは「Meiji-era Advisors」、つまり「お雇い外国人」です。海外での放送は、2018年12月11日(火)でした。日本でも視聴が可能で、12月17日(月)の深夜3時30分からNHK BS1で放送されます。日付を正確に記すと18日(火)の未明となりますが、ともかく結構な深夜です。言語はもちろん英語で、私のパートは吹き替えとなっております。全編ロケで、これは是非ご覧いただきたいと思います。

2. 福島中央テレビ「ゴジてれ Chu!」(9月27日・18時15分〜19時00分)に出演しました


「戊辰150年特集」の3回目におきまして、風刺錦絵のお話をさせていただきました。

3. 朝日放送「キャスト」(11月26日・16時58分〜19時00分)に出演しました

もちろん(?)コーナーは「なんでやねん!?」。いつの間にか月曜日にお引越ししていた同コーナーで、「すき焼きは卵につけて食べるのなんでやねん!?」についてお話しました。これは難問ですわ。

4. シンポジウム「彰義隊の上野戦争」にパネリストとして参加しました

詳細は以下の通りです。

シンポジウム「彰義隊の上野戦争ー明治150年に考える」
日時:2018年12月1日(土)14時00分〜17時30分
会場:東京大学大講堂(安田講堂)

5. 岡崎信用金庫『経済月報 MONTHLY REPORT』(2018年12月号)に寄稿しました

コーナーは「top opinion」で、タイトルは「ペリーと対峙した幕臣たち――『墨夷応接録』」。内容は、もちろん『墨夷応接録』についてです。皆様、冬の読書に『現代語訳 墨夷応接録』(作品社)を、一つ宜しくお願い致します。いや、ホントに面白いので。

森田健司
posted by km at 00:00| 御知らせ

2018年09月24日

新刊『現代語訳 墨夷応接録』(作品社)は9月25日発売です

kurohune-20180924.jpg

実に5ヶ月以上も放置されたブログの寂しさ、それは察するに余りあるところです。などと他人事のように語る私ですが、この間だらりだらりと緩く過ごしていたという訳では決してなく、むしろ従来以上に研究、教育、執筆、趣味などに邁進していたのであって、その結果としてブログ更新に振り分けるエナジーが不足していた、と、このようにご理解いただきたく思います。

そして。今回の更新では、とても大きなお知らせを記すことができます。それは、『現代語訳 墨夷応接録』の発売!魂を削って、訳出、翻刻を行った一書、遂にお披露目できて幸甚です。

1. 新刊『現代語訳 墨夷応接録』(作品社)は9月25日発売です

森田健司編訳・校註・解説『現代語訳 墨夷応接録――江戸幕府とペリー艦隊の開国交渉

いわゆる「黒船来航」に関心をお持ちの方は、『墨夷応接録(ぼくいおうせつろく)』という史料名をご存じのことでしょう。そう、初の日米交渉における「日本側の議事録」です。『ペリー提督日本遠征記』と並び、「黒船来航」の実態を知るための基本史料と認知されていながら、一度も単独で出版されず、同時代語訳も行われなかった、あの文書です。

私はこの史料の存在を知ってから、ずっと現代語訳が必要だと思い続けてきました。その間、「近々、現代語訳が出るそうだよ」という噂話を何度も聞きましたが、5年経っても、10年経っても、それは実現せず。この状況に、私は憤りを感じていました。なぜ、これほどまでに重要な文書が、一般の人々から遠ざけられているのか、と。『ペリー提督日本遠征記』が広く親しまれていながら、それと対になる『墨夷応接録』が全く陽の目を見ない状況は、明らかに異常だからです。

7年ほど前に『墨夷応接録』の美しい写本を入手して以来、その思いは更に強くなりました。一昨年、『明治維新という幻想』に『墨夷応接録』のことを書いた際は、その存在を知らなかった方々から感想が届いたり、新聞から取材を受けたりもしました。

その頃になって、「いつか誰かが現代語訳を出してくれるだろう」という思いが、自分の怠慢からきていると知りました。もし必要と自覚しているならば、自分がやればよい。それが、最も理に適った答えだからです。そこで訳出作業を始めましたが、もちろんそんなに簡単には進みませんでした。一体どれぐらいの時間をかけたかわかりませんが、毎日毎日、ひたすらパソコンに向かったことを憶えています。いや、その前に、写本の翻刻の段階で、本が一冊書けるぐらいの時間が経過したと思います。何度か挫けそうになったものの、この史料の面白さ自体が、次に進む力をくれました。

『墨夷応接録』に記録された、応接掛の人々、特に林復斎の姿は、現代人から見ると「驚異的に真摯」なものです。この仕事に、全てをかけていたことがよくわかります。それは、ペリーとの開国交渉が、今後の日本という国の行方を左右するものであると、彼が十分に理解していたからです。結果として、日米和親条約も、その細則を定めた下田追加条約も、アメリカ側の意図したものとは大きく異なるものとなりました。特に、下田追加条約は、ほぼ完全に日本側の要求通りとなり、ペリーは怒りに満ちた書翰を日本側応接掛に送って、失意のまま帰国しました。

この辺りの実態は、『ペリー提督日本遠征記』からでは読み取れません。『墨夷応接録』を読まなければ、全く理解できないものです。それは、『墨夷応接録』が日本側に有利な内容を「盛った」からではないことに注意する必要があります。例えば下田追加条約の内容が、なぜあのような条文になったかは、『ペリー提督日本遠征記』からは、全く理解できないのです。特に「箱館の遊歩区域」に関する規定については、それが強くいえます。下田、箱館の遊歩区域は、ペリー側が日本の交易拒絶を渋々認めた後、最も重要な議題となりました。このうち、箱館の遊歩区域については、日本側応接掛の「ある作戦」によって、わずか五里となったのです。ちなみに、ペリーは「最低でも七里」と主張していました。

『墨夷応接録』は、遊歩区域の交渉以外にも、興味深い内容が盛りだくさんです。「黒船来航」の実態を知る上で必要不可欠なのは当然ですが、それ以上に、「読んで面白い文書」だと断言したいと思います。これほど読み物として優れている史料も、稀でしょう。現代語訳箇所は、できるだけわかりやすく、読み易いものとなるように、最善を尽くしました。原文も収録していますので、拙訳と見比べて検討することも可能です。

・・・と、少し書くつもりでも、次々に思いが溢れてくる一冊です。「編訳・校註・解説」を担当した同書、是非お手に取っていただきたいと思います。

2. 『中日新聞』(2018年4月22日)にコメントが掲載されています

「家康尊崇 維新後も続く」という記事の中に、「庶民の多様な歴史発掘を」というタイトルで、私の短いコメントが載っています。

3. NHK『ラジオ深夜便(2018年7月号)』に放送内容の要約記事が掲載されています

「江戸瓦版に見る幕末ジャーナル」というタイトルで、今年3月に同名番組でお話しした内容が掲載されています。8ページで、瓦版の画像もいっぱい掲載されていて楽しい記事です。とか言いつつ、告知が遅すぎたため、もう入手が難しいかも知れませんね(すみません)。

4. 週刊『世界と日本』(第2129号)に寄稿しました

タイトルは「明治維新150年 真摯な検証作業で歴史を正せ」です。ちょっと語調強めのタイトルが付いてますが、内容は「近代化のスタートは幕末」という、実に穏健なものです。

5. 「徳川みらい学会in会津」で対談形式の講演を行いました

徳川みらい学会in会津(於:会津若松ワシントンホテル)
演題:「戊辰150周年〜会津藩が果たしたもの」(原田伊織先生との対談形式)
2018年7月27日(金)

大変楽しい一日でした。翌日、台風のために、めちゃくちゃ朝早くに会津から離れざれるをえなくなり、その点のみ残念でした。会津若松、また行きたいと思っています。

6. 『幕末維新の真実』(廣済堂ベストムック)に寄稿しました

戊辰戦争に関する風刺錦絵について書いています。これまで、私が他書で取り上げた絵との重複はありません。

7. 『維新再考 「官軍」の虚と「賊軍」の義』(福島民友新聞社)に連載記事収録されています

現時点では本を入手できていないのですが、以前、福島民友新聞さんに載せていただいたインタビュー記事が収録されているようです。しかし、あれほどクオリティの高い連載記事「維新再考」がまとまって読めるわけですから、これはお得ですね。早く欲しい!皆様にも全力でお勧めします。

森田健司
posted by km at 04:16| 御知らせ

2018年04月22日

4月28日放送の「諸説あり!」(BS-TBS)に出演します

oryori_20180422.jpg

梅雨前なのに、もう夏のような気温になってきました。通勤時の服装が大変難しい季節です。雨蛙の鳴き声がそろそろ聞こえるはず。

1. BS-TBS「諸説あり!」(4月28日・22:00〜22:54)に出演します

テーマは「黒船来航の真実」。私はスタジオにゲストとして出演しています。内容の方は、林復斎がいっぱい出てくるという、なかなかに尖ったものです。是非ご覧下さい。

2. 週刊『世界と日本』(第2122号)に寄稿しました

タイトルは「明治維新150年 外国人が見た幕末・明治の日本」です。私の大好きな訪日外国人のテキストから、幾つか面白いお話を紹介しました。

3. 市民大学二つでお話しました

富山市民大学閉講式・特別講演会(於:富山市民プラザ)
演題:「江戸における瓦版の実像」
2018年2月16日(金)

吹田市民大学(於:大阪学院大学)
演題:「江戸時代の庶民と和食」
2018年3月10日(土)

森田健司
posted by km at 00:00| 御知らせ