2020年06月08日

書評やインタビュー記事などの記録

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江戸時代の古書の中には、購入日と所有者名の記されているものが結構あります。先日購入した本にも「天保十年」なんて書き入れがあり、歴史の重みと同時に、変わらない人の思いのようなものも感じました。良い本を手に入れると嬉しいし、大切にしたいものね。所有欲の中には、人間の本性に由来するものがあることは素直に認めないといけないのかも知れません。

1. 『奇妙な瓦版の世界――江戸のスクープ大集合』(青幻舎)書評

たくさん書評を載せていただいたようで、心から嬉しく思います。なので、紹介いただいた媒体を記しておこうと思います。ただ、今回の本の書評掲載情報は、残念ながら出版社さんからは全くいただけなかったので、以下は自分で見付けたものに限られます。幾つか取りこぼしがあるかも知れませんが、何卒ご了承下さい。というか、他にもありましたら教えて下さい。

・ 『Pen』(2020年2月15日号)
・ 『サンデー毎日』(2020年2月16日号)
・ 『週刊文春』(2020年2月27日号)
・ 『しんぶん赤旗』(2020年3月1日付)*内容未確認
・ 『日刊ゲンダイDIGITAL』(2020年3月11日)
・ 『週刊 読書人』(2020年3月20日)
・ 『週刊 読書人』(2020年4月3日)

どの書評も心から嬉しく思いますが、中でも『週刊文春』で立花隆さんが拙著を取り上げて下さったのには感激しました。大学生の自分に、「将来、立花隆さんが自分の本を読んでコメント書いて下さるよ」と教えたら、おそらく腰を抜かすでしょう。ちなみに、私が初めて読んだ立花さんの本は『サル学の現在』(平凡社)でした。16か17歳のときのことです(遠い目)。

2. みずほ総合研究所『Fole』(2020年6月号)にインタビュー記事

タイトルは「江戸商家の『思想』に学べ」で、カラー8ページの記事です。色々お話ししたことを中心に、大変わかりやすくまとめていただいています。もちろん、石門心学にも触れています。

石田梅岩と石門心学については、近い将来、何か新しい本を出したいという思いはあります(飽くまで「思い」レベルですが)。『都鄙問答』と『斉家論』の、しっかりした現代語訳も何らかの形で出版したい・・・という思いもあるのです(やっぱり「思い」レベル)。それと同時に、ここ数年様々に考えてきた石門心学の可能性について、専門書として世に問いたいという気持ちもありますが、どれも時間との戦いですわ。そして今日も一日が終わっていくのです。

3. 産経新聞の記事(2020年5月27日付)にコメント

タイトルは「当時も庶民のラッキーアイテム?アマビエ、ヨゲンノトリ…『疫病鎮める』江戸時代の予言獣たち」です。産経新聞のオンライン版には上記日付で掲載されていましたが、紙の方では同日に掲載されたかどうか知りません。なお、現在はヤフーニュースなどでも記事は見られるようです(6月8日閲覧)。

内容は、突然人気(?)の出た妖怪アマビエに関するものです。しかし、瓦版掲載の妖怪の中では3軍ぐらいにいたアマビエがここまで知名度を上げたりするわけですから、人生何があるかわかりません。もしかしたら、百澤のパロディのパロディのパロディである妖怪スカ屁も、人気者になる日が来るかも知れません。彼女(?)も、間違いなく予言獣ですから。

森田健司
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2020年01月25日

新刊『奇妙な瓦版の世界』(青幻舎)発売中です

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大学に居付いている可愛らしい猫たちを眺めながら笑顔で歩んでいたら、右手を壁に痛打した睦月の夕べ。まさに人間自損事故。私という人間が間抜けであることは十分に認識しつつ、何事も油断大敵なのであることだなあ、と反省しました。今回のダメージ:右手甲における擦り傷。

1. 『奇妙な瓦版の世界――江戸のスクープ大集合』(青幻舎)発売中

全力を傾注して拵えた瓦版本、極めて好評をいただいております。これだけは謙遜いたしません。著者から見ても、本当に面白い本なので、皆さま是非ともご覧下さい。amazonさんでも販売中です。

2. テレビ東京「お江戸のリスクマネジメント」(1月13日・12時00分〜13時00分)に出演しました

VTR出演で、瓦版とそれに関するあれこれをお話ししました。私の後ろに浅草寺のようなものが見えているカットがありましたが、もちろん実際に足を運んで撮影しています。観光客の方がめちゃくちゃたくさんおられた記憶があります。

ところで、この番組では「ある有名な鯰絵」に関して、今まで聞いたことがない説明(解釈)がなされていましたが、当然ながら、あれは私が提示したものではありません。一研究者として、これだけははっきりと書いておきたいと思います(あのような説明を大学のテストに書いたら、当然0点になります)。また、番組で紹介されていた「施し名前附」という瓦版は、某国立大所蔵とキャプションにありましたが、正しくは私個人が画像データを提供したものです。

3. 日本比較生活文化学会(第35回・全国大会)で基調講演を行いました

内容は『墨夷応接録』に関するものです。詳細は以下の通り。

日本比較生活文化学会(第35回・全国大会)基調講演
演題「江戸幕府とペリー艦隊の開国交渉――『墨夷応接録』が記録した事実」
日時:2019年11月2日(土)
会場:大阪学院大学

4. 朝日新聞(2019年11月14日付)の香港デモ関連記事でコメント

2019年11月14日(木)付の朝日新聞に、ちょっとしたコメントを寄せました。記事のタイトルは「自由を求める香港市民――響く抵抗歌」。政治的な話ではなく、プロテスト・ソングに関するものです。日本におけるプロテスト・ソングの歴史についてお話ししたものを短く整理していただいてます。

学問的対象としても興味深いものですが、私は個人的に、日本のプロテスト・ソングがとても好きでした(特に、いわゆる「関西フォーク」)。総体的に眺めれば、明らかにアメリカの模倣が多いのですが、その中でアーティスト、あるいは曲単位では独自性を発揮したものもあったと思っています。中でも岡林信康さんや加川良さんの曲は、今もずっと聴いています。音楽としても当然ですが、言葉の鋭さに感嘆します。岡林さんは、フォーク期以降も一貫して心に染みる曲を作り続けています。

5. 読売新聞(2020年1月22日付)の「編集手帳」で拙著を取り上げていただきました

何気に、全国紙朝刊一面の記事に自身の名前が出たのは初めてだと思います(地方紙はあった、と記憶)。江戸時代の長屋の木戸に関してのところで、拙著『江戸暮らしの内側』(中公新書ラクレ)を紹介して下さっています。大変嬉しいことです、有り難うございます。

森田健司
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2019年12月22日

新刊『奇妙な瓦版の世界』(青幻舎)発売間近告知

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「これは本当に愉快痛快な本ですよ」と著者本人が力強く言い放ちたい新刊が間もなく発売されます。その名も『奇妙な瓦版の世界』。内容は、江戸時代に発行された瓦版のうち、現代的視点からも「面白い」と思えるものを次から次に紹介していくというものです。

森田健司『奇妙な瓦版の世界――江戸のスクープ大集合』(青幻舎)

この本には幾つかポイントがあるのですが、第一は、全頁フルカラーということです。見開きで、左側にフルカラー瓦版、右側に解説が掲載されています。そして、この瓦版のフルカラー印刷がとんでもなく美麗なのです。美術書専門の青幻舎さんの本ですから、このクオリティは当然なのかも知れません。しかし、私はというと、ただただ感動しているのです。もう何も考えずに、このフルカラーの瓦版をずーっと眺めておきたい衝動に駆られるほどです。

項目は全部で100もあります。つまり、見開きページだけで100あるわけで、総計で236ページの大ボリュームとなっております。大きく章は9つに分かれていて、最後の「明治の瓦版」以外は、全て江戸時代に発行された瓦版を軸にしています。なお、メインの瓦版以外に、小さく掲載されている瓦版、錦絵などもありますので、総画像数は150ぐらいになると思います。

解説は勝手に400字という制約を付けてみましたので、とても読み易いはずです。本当は「あの情報も、この情報も入れたい」という気持ちはあったのですが、それをしてしまうと「お勉強」の本になってしまうので、とことんストイックに、筋肉質な仕上がりを目指しました。

収録している瓦版、その他の画像は、全て私が私的に集めたものです。自宅に保管している1000枚以上の瓦版たちから、精鋭のみ選び出しました。結果、瓦版に極めて詳しいという方であっても、相当数初見のものがあるはずです。中でも、最精鋭の5枚ぐらいは、私が入手したときに後ろに引っ繰り返ったぐらい衝撃的な内容になっております。

とにかく、この2019年はこの本にかかりっきりでした。制作期間中は、テレビやラジオからのお誘いも全て断ったほどです。もちろん、これまで出した全ての本に思い入れがありますが、あえて可能な限り客観的にみて、これが「私の本の中で最も面白い一冊」だと断言できます。価格は2,750円(税込)。文字主体の本に比べれば安くはありませんが、フルカラーで236ページの本としては、恐ろしくお買い得です。

江戸時代の庶民文化に興味を持つ方はもちろん、同時代の絵画やデザイン、笑いに興味のある方にも全力でお勧めします。書店さんでは12月26日頃より販売開始されるそうです、是非一度手に取って、内容をお確かめ下さい。ちなみに、amazonさんには年明けすぐ、1月2日頃に入荷するとのこと。宜しくお願いします。

森田健司
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2019年10月27日

雑誌記事など諸々の覚書

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現代人必携の便利アイテム、それが携帯電話。いや、もう携帯電話という表現は古色蒼然たるものでしょう。スマフォ・・・もといスマホ、あるいはガラケーと呼び表わさなければ、著しく時代遅れなおっさんとの刻印を押されてしまうはずです。気を付けなければなりません。

僭越ながら、私めも数年前からスマホを所有しておりますが、ただ所有しているのみで、ほとんど触れず使わずに生きてきました。使うのは通話機能と、ショートメッセージのみ。しかし、夏前に費用的問題から通信会社を変更する運びとなり、端末自体も買い替えたのです。やってきたのは随分と薄くてクールな一台。普通なら、はじめに色々設定したりするようですが、繰り返すように、私はスマホにほとんど触れないのでケースだけ付けて放置しておきました。

それから数ヶ月。なんと、1回も電話が掛かってこないのです。あれ、番号は以前と変わってないのに、なんでやろね。・・・ということを考えることすらなく、愉快に暮らしていたところ、先日とある新聞社の方がメールを下さいました。「電話が全然繋がらないのですが!」。

急いで調べてみて、判明しました。私のスマホさん、電話帳に登録していない番号を須らく着信拒否する設定になってました。この時点で、電話帳なるものを一切登録していなかったので、つまり全ての電話を拒絶していたことになります。・・・ただただ、スミマセン!もちろん、現在は普通に電話を受けられるようになっております。電話帳も色々登録しましたしね。

1. 経済界『経済界』(2019年8月号)にインタビュー記事

タイトルは<学問は「治安」「エンタメ」「立身出世」――江戸庶民の教育事情>で、2ページ掲載されています。雑然とお話ししたことを、丁寧に整理していただきました。

2. 「石田梅岩開塾290年記念シンポジウム」(9月15日)で講演など

9月15日(日)に京都府亀岡市で開催された「石田梅岩開塾290年記念シンポジウム」で講演しました。詳細は以下の通りです(公式サイトの情報をそのまま貼り付けます)。

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とき 令和元年9月15日(日曜日)午後2時〜4時(午後1時30分開場)
基調講演 テーマ「現代にいきづく石門心学」
講師 森田健司さん(大阪学院大学経済学部教授)
パネルディスカッション
パネリスト 森田健司さん
       長野享司さん(石田梅岩先生顕彰会理事)
       末永礼子さん(亀岡市教育委員会委員)
コーディネーター 桂川孝裕(亀岡市長)
主催:亀岡市教育委員会歴史文化財課・一般財団法人石田梅岩先生顕彰会

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3. 講談社「現代ビジネス」に記事執筆

タイトルは<「商いの原点」を忘れた日本企業、相次ぐ不祥事の「根幹」にあるもの>です。10月1日にアップされています。ご覧いただければ幸いです。

4. PHP研究所『衆知』(2019年11-12月号)に研究会のレポート

6月5日にPHP研究所京都本部で開催された「新しい商人道研究会」(第3回)のレポートが6ページにわたって掲載されています。タイトルは<石田梅岩の商人道――時代を超える思想「石門心学」の叡智をひも解く>です。梅岩の商人道に関して、色々とお話しさせていただきました。

5. 中央労働災害防止協会安全衛生のひろば』に連載

本年1月号から12月号まで、<瓦版にみる江戸の一大事>のタイトルで2ページの記事を書きました。タイトルで一目瞭然、瓦版に関するものです。11月号と12月号はまだ発行されていませんが、入稿は終わったのでここに記します。1年間、大変お世話になりました。

森田健司
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2019年06月12日

日テレ「所さんの目がテン!」・NHK「歴史秘話ヒストリア」など諸々

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いつの間にやら元号も変わっておりまして、つまるところ令和に入って初のブログ更新と相成りました。忘れた頃に少しだけ動く当ブログ、これからも月に一度ぐらいチェック願えれば嬉しく思います。

それにしても、燕の雛ってなんであんなに可愛いんでしょうね。もうたまらんわ、と思いつつ、毎日近所の巣を見ております。あと、雨蛙の鳴き声も聞こえ始めて、それに大いに癒されております。ほんと、毎年しつこく言ってますが、雨蛙の鳴き声より心地よい音声はこの世に存在してへんのちゃうかな、知らんけど(関西的付加)。

1. 日本テレビ「所さんの目がテン!」(5月26日・7時00分〜7時30分)に出演しました

「歴史研究会第10弾 明治の暮らし」の回です。ロケにずっと引っ付いて回って、いろんなことをお話ししました。しかし、まさか明治村にこんな短いインターバルで再訪することになるとは!(「Japanology Plus」参照)・・・などと言っておりますが、実はわたくし、まだ放送を観ておりません。関西は放送が6月16日(日)だからなのですね。備忘録を兼ねまして、下に関西での放送日時も記しておきます。

関西での放送→読売テレビ「所さんの目がテン!」(6月16日・9時55分〜10時25分)

2. NHK総合「歴史秘話ヒストリア」(5月22日・22時30分〜23時20分)

コチラのテーマは「日本人 ペリーと闘う 165年前の日米初交渉」です。収録場所は勤務校の研究室、主に『墨夷応接録』に関して喋っております。林復斎も出てくる再現ドラマ、カッコよかったですねえ!ペリー役の俳優さんの頭髪が、ちゃんとウィッグっぽかったのも感動。そう、実際のペリーさんもウィッグ着用だったと伝えられているからです(証言からして事実でしょう)。

3. PHP研究所『歴史街道』(2019年7月号)に記事を書いています

タイトルは「『働くことの意味』とは――石田梅岩の思想に学ぶ」です。全6ページの記事で、ステキな画像が挿入されてて、なんとも爽やかな記事になっています(と、本人は勝手に思っております)。今年は梅岩の開塾290周年なので、そういった関連で、私も色んなトコロに出掛けてお話ししたりしております。

梅岩のことなら際限なく話せる自信がありますが、以前拙著にも記した通り、私は思想的には布施松翁に最もシンパシーを感じる者であったりします。道二ではなく松翁であるところがポイントなのですね。このことは、また何処かで長々と書きたい所存でございます(需要があるか微妙ですけれども)。

森田健司
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