
酷く暑い日が続いております、皆様お元気でしょうか。身体の強からぬ私は、当然のように暑さにやられてバテております。が、そんな状況にあっても、出掛けなければならない展覧会がありました。それは、そう、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展です!我が家から歩いてすぐの、神戸市立博物館で開催されているこの展覧会に、先日出向いて参りました。
私が行った日は平日だったにも拘わらず、それはもう結構な人出で、浮世絵・錦絵の人気が高まっていることを実感しました。もちろん、若い方もたくさんいました。しかし、冷房の効いた館内で、国芳と国貞の傑作群を楽しめるなんて、本当に贅沢なことです。
今回、私の一番の目当ては「讃岐院眷属をして為朝をすくう図」でした。少し前にテレビ東京の「美の巨人たち」でも特集されていたこの絵、実物を見るのは初めてなのです。実際に眺めた感想は・・・いやもう、溜め息しかでない圧倒的な作品と言うしかありません。あの強烈なストーリーを、この一枚(三枚続きですが)に凝縮する手腕。私は、一切の言葉を失います。国芳、ほんとにすごい!(言葉を失っていない)。
「讃岐院眷属をして為朝をすくう図」で特に好きなのは、モノクロで表現された烏天狗と、おぞましいほどに迫力のある大鰐鮫です。前者の表現は、当時存在した(そして今はもう失われてしまった)達人クラスの彫師、刷師の腕もあってのことでしょう。後者の大鰐鮫は、一見怪物ですが、これには忠死した為朝の家臣の魂が乗り移っているんですよね。詳しいストーリーの紹介はできませんが、国芳の筆は、この感動的な場面を破壊的なほどの迫力で表現しています。
感動した帰りには、物販コーナーで「歌川国芳根付」のガチャガチャを2回やりました。1回400円なので、なんとも贅沢なガチャガチャです。でも、欲しいなあと思った「踊る猫又」と「猫骸骨」を運良くゲットできました。幸せやね。

まだ体験していない皆様には、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展、全力でお薦めしておきます。私は国芳が贔屓なんですが、繊細な国貞も見応えたっぷりですよ。
森田健司