
いつも通り当ブログでのお知らせが遅くなってしまいましたが、8月5日に新刊が発売されました。
森田健司『明治維新 偽りの革命』(河出文庫)
新刊とはいっても、実は2016年に出した『明治維新という幻想』(洋泉社)の増補改訂版です。しかしながら、その増補改訂が相当なもので、ほとんど全編に手が入っていることもあり、気持ち的には全く違う本です。戊辰戦争を中心としていわゆる明治維新を取り扱ったものですが、細かい説明が増え、また戊辰戦争関連の風刺絵の数も多くなっています。
なお、最終第5章は完全書き下ろしで、ここが書き手としては最も読んでいただきたい箇所です。章、及び節のタイトルを貼り付けておきます。
第五章 最大の思想的問題「攘夷」の行方
第一節 新政府の「師」玉松操の慨嘆
第二節 「討薩檄」が指弾した新政府の攘夷
第三節 神戸事件と堺事件――新政府の卑屈な外交
第四節 濫用された大国隆正の「大攘夷」思想
思想史学を専門とする者として、明治維新について書くならば、いつか玉松操と大国隆正については言及したいと思っていました。今回、河出書房新社さんがこのような加筆をお許し下さったことで、その願いが叶った形です。また、神戸に住む者として、神戸事件について少しでも記せたことも嬉しく思っています。第5章が付加されて、この本は本当の意味で完成しました。宜しければ、一度ご覧下さい。
森田健司