
この時期、大学の研究室にいると雨蛙の鳴き声が聞こえてきます。
と言うと、何とも優雅な感じがしますが、実際に僕はこの環境に大変心地良さを感じています。幼少の頃から、雨蛙の鳴き声、あの「クエッ、クエッ」という控え目で、しかしながら個性も自己主張もある声が大好きなんです。実に可愛らしい。
基本的に、雨蛙という生き物はあらゆる点で優れた存在です。声もそうですが、大きさも色も造形も素晴らしい。それはもちろん主観でしかない訳ですが、成人男性の親指第一関節ぐらいしかないサイズ感、目に優しい薄緑の体色、そしてお腹がプクッと膨らんだフォルム。嗚呼、なんと良くできた生き物か。たまらんわ。
雨蛙は昔から日本で愛されてきたので、絵として描かれることも多かったようです。浮世絵などを見ていても、雨蛙は結構見付かります。
江戸時代の絵師で、雨蛙を好んだ人というと、僕の中では一番に歌川国芳が出てきます。裏の田圃で毎日のように雨蛙を掬ってきて、自宅の池に放していたという彼は、愛情の籠もった雨蛙を描いています。「金魚づくし」に見られる国芳版雨蛙は、悪戯好きそうで、実にお茶目です。

僕の一番好きな国芳版雨蛙は、次に貼る棒を持った彼(彼女?)です。

この「金魚づくし」シリーズには、大変思い入れがあるので、また時間の余裕のあるときに語りたいと思います。
国芳と言えば、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展が、来月、僕の住んでいる神戸にもやってくるそうです。期間は6月18日〜8月28日とのこと。猛烈に楽しみです。
森田健司
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