
いつの間にやら終わっていた夏、という表現がこれ以上相応しい夏はあっただろうか、と言いたくなるほどの何もない夏でした。大学にもほとんど行けなかったわけですが、私にとってちょっとした発見があったので、ご報告いたします。それは何かと申しますと、ズバリ、ミンミンゼミです。今年、奉職16年目にして、勤務校キャンパスで初めてミンミンゼミを見付けました。
関東や東北の方は、「それのどこが驚くべきポイントなのか」と訝しむかも知れませんが、近畿においては、ミンミンゼミは疑念の余地なくレアキャラです。ごく限られた場所でしか見られない種なのですね。今年の8月下旬の夕刻、そのオスを見付けたわけです。しかし、全然周囲に人がいなかったため、私はこの感動を分かち合うこともできず、静かに帰路についたのでした。悲哀。終わり。
1. 『郷土史大系 宗教・教育・芸能・地域文化』(朝倉書店)刊行
めちゃくちゃ分厚く重い本で、情報量も凄まじい一冊です。私は、「心学」の箇所を担当させていただきました。4〜5年前に書いた原稿だったような気がします(記憶も曖昧)。民衆文化に関心を持つ方は、一度ご覧になって下さい。
2. PHP研究所『衆知』(2020年9-10月号)に記事
タイトルは「非常事態を生き抜く石門心学――石田梅岩『斉家論』より学ぶ」。カラー7ページで、ビジュアル面も豪華です。梅岩というと『都鄙問答』の話になってしまいがちですが、この記事で取り上げたのは『斉家論』のみです。コロナ禍と石門心学を絡めた記事で、ちょっと珍しい内容かも知れません。
3. 『北海道新聞』(2020年9月27日付)にインタビュー記事
日曜版の「時を訪ねて」というページに掲載いただいています。テーマは廃仏毀釈です。触れるのが容易ではないテーマですが、これもちょっと珍しい観点でお答えしています。清水寺の千体石仏群の大きな写真がインパクト大です。黙して語らず、されども言葉以上に雄弁なり。
4.「歴史秘話ヒストリア」(2020年9月2日放送)に出演
テーマは、「危機は海からやってきた 蒙古襲来とペリー来航」。出演と言いましても、私のパートは昨年放送されたペリー来航の回と同じものです。つまり、蒙古襲来の回と「2 in 1」になったバージョンでした。より詳しくペリー来航の真実を知りたいという方は、是非とも『現代語訳 墨夷応接録』をお読み下さい。宣伝です。
森田健司